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無理なくしっかり筋力をつけるなら。加圧トレーニングの効果

無理なくしっかり筋力をつけるなら。加圧トレーニングの効果

一時期ちょっとしたブームにもなり、名前は聞いたことがあるかもしれない加圧トレーニング。
でも、実際やってみようと思うと結構値段が高かったり、そもそもトレーニングなんかあまりしたくない……という人も多いですよね。
そんな方に是非お伝えしたい、加圧トレーニングの効果やメリットをご紹介します!

そもそも加圧トレーニングとは

そもそも、加圧トレーニングを簡単に説明すると、腕や足に圧力を加え、血の流れをコントロールする事で、トレーニングの効果を最大限発揮させるというもの。
元々は正座した時の足のしびれがトレーニングによる筋肉の疲労と似ているという事から、日本人により開発された手法で、リハビリなどに積極的に用いられています。

圧力を加えるのは加圧専用のマシンで、空気を入れると膨らむ輪っか上のものを手足の付け根に装着する事で行います。イメージとしては血圧を測る時のマシンです。

このマシンで手足を圧迫し、血流を抑える事で、様々なメリットを得る事ができるようになります。

加圧トレーニングのメリット

運動で筋肉に与える負荷を引き上げる

ある調査では、十分に血流がある場合は40%程度しか筋肉が動かない程度のトレーニングを、加圧しながら行った時には倍の80%程度の筋肉が活動する状態になったという結果があります。
これは、十分に血流が行き届かない事で筋肉自体の力が低下し、その結果として筋肉が軽い負荷に対しても全力で動かざるを得なくなっている事を表していて、この作用のおかげで軽い負荷の運動でも十分に筋肉を疲労させる事が出来るようになります。

筋肉の成長は、筋肉が疲労し(ダメージを受けて)、その回復の過程で新しい筋肉が作られる事の繰り返しによるものですので、加圧によって筋肉を効果的に疲労させる事で、軽い負荷の運動でも筋力を増加させる事ができるのです。

実際に、加圧をしないで軽いトレーニングを一定期間続けても全く筋肉量への効果はなかった人が、加圧をして同じ負荷のトレーニングを行ったところ、同じ内容、同じ期間で筋肉量が20%増加したという結果があります。

筋肉疲労で成長ホルモンが分泌される

また、筋肉が疲労すると乳酸という物質が分泌されますが、この乳酸が増えると、今度は成長ホルモンの分泌が促進されます。

成長ホルモンは新しい細胞の作成を促進するホルモンで、脂肪の燃焼や筋肉の増加以外にも肌の新陳代謝促進による美肌効果や、体内の細胞分裂促進による健康効果、また新しい血管を作る事により、体の末端まで血流を促す事による冷え性などの改善効果など様々なメリットをもたらします。

筋肉の疲労⇒乳酸分泌⇒成長ホルモン分泌 という流れですので、通常のトレーニングでももちろん成長ホルモンの分泌は促進されるのですが、前述の通り加圧の場合は軽い負荷でも筋肉疲労の度合いが大きいため、成長ホルモンの分泌がされやすいというのが特徴です。

成長ホルモンの分泌量増加は人によって大きく異なりますが、元々成長ホルモンの分泌が少ない方が対象となった実験では通常時の270倍という分泌量が出たという結果もあります。
年齢が若いうちや、そもそも成長ホルモンの分泌量が多いうちはここまで大きな効果にはなりませんが、例えばある程度の年齢の方など、成長ホルモンの分泌が減ってしまっている方が、軽い負荷の運動でこの効果を得られるという点では、とても大きなメリットになります。

終了時、多量の血液をいっきに流す事で老廃物を流す

加圧により腕や足を圧迫すると、特に体の表面側にある静脈の流れが止まりやすく、奧側にある動脈は流れ続ける状態になります。
静脈は簡単に言えば血を心臓に戻す血管。動脈は血を心臓から送り出す血管ですので、静脈だけが止まる事で、血液はどんどん手足の先の方に溜まっていって、心臓に戻ってこなくなります。

すると、普段はなかなか十分な血液が通わない部分。例えば指先の毛細血管まで血液がたまっていく状況になり、加圧の状態を解除した時に、一気にこれが心臓に向かって流れます。
通常、血管の中には何らかの形で蓄積されてしまった老廃物などがありますが、加圧後に多量の血液が流れる事で、この老廃物を押し流し、血流が改善されるというメリットがあります。

血流の改善は動脈硬化の防止や冷え性の改善などの他、体の様々な部位に栄養素がいきわたる事により、代謝機能を全体的に向上させる事に繋がります。

加圧トレーニングのデメリット・弱点

一方で、加圧トレーニングにはデメリットや弱点もあります。

血流コントロールによる危険性

血流をコントロールする事で筋肉疲労を引き起こす加圧トレーニングですが、方法を間違えると細胞全体に大きなダメージを負ってしまう可能性もあります。
その為、安易に手足を縛って血流を抑制する方法などは危険で、専用の器具や十分にトレーニングを熟知したトレーナーの指導の元で行う必要があるという事が、デメリットのひとつです。

体幹など、特定部位のトレーニングには向かない

加圧は血流がコントロールされている部位の負荷を引き上げるものですので、腕の付け根で血流を止めれば腕のトレーニング、足の付け根であれば足のトレーニングには効果を発揮しますが、腹筋などの体幹部分についてはあまり効果を発揮しません。
単純に成長ホルモンによる効果を期待するのであれば意味がありますが、トレーニング自体の負荷を引き上げるという点ではあまり意味がありませんので、加圧をするのであれば腕や足の筋力に集中した方が効果を発揮できます。

加圧トレーニングの向き・不向き

加圧トレーニングは、軽い負荷でもきついトレーニングと同じような効果が得られる手法ですので、トレーニングがきつくて苦手という方や、そもそもトレーニングが十分に行えない、リハビリ中の方などに特に向いています。
アスリートなど筋力が十分にある人でもその効果を得る事が出来ますので、特に加圧が向かないという人はありませんが、肌に触れる器具を利用する点や、血流を抑制するという点がありますので、肌や心臓が弱いという場合などは注意が必要です。

また、前述の通り体幹を鍛えるトレーニングにはあまり向いていません。
そのため、ダイエット目的で多い腹筋のトレーニングなどの場合は、加圧トレーニングと平行して通常のトレーニングも実施していく必要があります。
加圧でダイエットをしたい場合、腹筋や背筋よりも、太ももを鍛えてエネルギーの消費量を上げた方が良いでしょう。

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