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急な鼻水には小青竜湯

一口に花粉症と言ってもいろいろな症状があります。鼻水が止まらない、クシャミを連発する、頭が重い、目がかゆい、などなど。このうち鼻水に関する症状には小青竜湯(しょうせいりゅうとう)という漢方薬が良く効きます。

小青竜湯の効果

小青竜湯は本来ぜんそく治療のために考えられた処方ですが、現代ではカゼでも花粉症でもその原因は問わず、薄い鼻水が大量に出る症状にしばしば使われています。

小青竜湯の内容はすべて植物生薬で、麻黄・桂枝・細辛(体を温める)、半夏(体内にある余分な水を取り除く)、乾姜・五味子(肺を整える)、甘草(薬草の刺激から胃を守る)、芍薬(水分の出すぎを予防する)という構成になっています。

小青竜湯が効くのはどんな人?

漢方の考え方によると、小青竜湯の効く患者さんの状態は次の通りです。まず暴飲暴食などによる胃腸の弱りが根本にあって、そのため体内に余計な水分が溜まりすぎている状態となり、そこへ寒い風に当たるなどの刺激が加わり、ついに咳や喘息、薄い痰や鼻水が大量に出る、クシャミが止まらない…等の症状が現れます。

このようなタイプの発症は、現代日本社会ではかなり広く見られるものです。
というのも、子どもなら冬でもアイスを食べ、大人ならとりあえずよく冷えたビールを飲み、若い女性ならダイエットに熱心だし、みんな甘いものや味の濃い料理が大好きでいつも食べ過ぎを気にしている。こういった飲食傾向は、どうしても胃腸に無理をさせて疲れさせてしまうのです。
消化器系の不調と言えば胃痛腹痛を思い起こしがちですが、実は体内の水分があふれるというもっと全身的な問題に直結していたのでした。

このような原因から花粉症状態に陥った方には、小青竜湯はすぐに効果を発揮します。鼻水・クシャミ・頭重は服用後2~3時間で改善され、個人差はありますが目のかゆみにも一定の効果があります。

現在はエキス剤も一般のドラッグストアで市販されており、お医者さんに相談すれば保険適応で出してくれますから、入手は難しくありません。
ただし、麻黄・細辛という体を強く温める生薬が入っていますので、長期の服用は勧められません。あくまで急性の鼻水症状に対応する薬と考えると良いでしょう。

また口渇がある・手足が冷えている・腎臓や心臓に問題がある・虚弱である・熱がひどいなどの症状がある方は飲んではいけません。
最近では生薬アレルギーの問題もとりざたされていますから、漢方に詳しい開業医に相談して一度試しに飲んでみると安心できるでしょう。

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