化粧品の成分表示義務について

化粧品のパッケージや箱を見ると、さまざまな化粧品の成分が記載されています。
この成分表示は、薬事法で定められています。

薬事法と化粧品の表示義務

化粧品の箱や容器にはさまざまな情報が記載されていますが、この記載内容は薬事法によって定められている「表示義務」の内容と、販売者が自由に記載を行っているものがあります。

化粧品の表示については主に薬事法の第61条と第62条で規定されていて、表示義務とされている項目は
・製造者について
・製品名称
・製造番号
・使用成分
・使用期限（成分による）
となり、その他に厚生労働省などによって特別定められた内容がある場合などは記載が義務となります。

使用成分の表記は2001年4月の薬事法改定により、現在は使用されている全ての成分が表示されています。
また、成分の表示は原則的に使用されている量が多いもの順です。(含有量が1％未満のものや着色料などは場合により順序が変わる)

これらの情報については原則として製品の容器に記載され、箱などに入っていて容器のラベルが見えない場合は、箱にも同じ内容のラベルをつけることが義務となっています。
ただし、容器が小さくて成分を表示しきれない場合などは、箱側のみに表記がされていたり、成分一覧の書かれたカードなどが化粧品売り場などにおいてあったりします。

化粧品と薬事法による表現の制限

薬事法で規定されている内容は、化粧品の表示義務内容についてだけではなく、化粧品の効能などについて、製造者が表記できる内容についての規定も行っています。

表示が規制されている内容は主に以下のとおりです。
・化粧品に関して、虚偽または誤解を招く恐れのある内容
・厚生労働省から承認を受けていない効能や効果
・保健衛生上危険がある使用方法や使用期間

これらの制限があるため、化粧品のパッケージや広告などにあたかも肌トラブルを消し去ってくれるかのような表現はできませんが、実際は表現の方法を工夫して、法律の規制とギリギリの表記となっているものが多いといえます。

例）「美白」製品の場合
×しみやくすみを消して白い肌に！
○メラニン生成を抑え、しみやくすみの防止に効果があります

旧表示指定成分について

現在は全成分が表示義務となっている化粧品ですが、2001年の薬事法改定以前はアレルギーなどを起こす可能性がある103種類の成分が、表示を義務付けられていました。

現在では全成分が表示義務となっているため、これらの成分は旧表示指定成分といわれることがあります。

全成分の表示義務化に伴い、化粧品の成分が全てわかるようになって安全かどうかを消費者がきちんと判断できる状態に近づいた反面、あまり詳しく無い人にとっては、アレルギーなどに関係するような成分がどれなのかわかりにくくなり、消費者がしっかりと判断しにくくなってしまったとも言われています。

化粧品の中には肌に対してトラブルを誘発するような成分が入っているものもあるため、自分の身を守るためには、ある程度化粧品の成分などに対する知識を身につけておく必要があります。